夜食がやめられないのは『夜食症候群』が原因かも!思い当たる人は要注意!

夜中に活動する機会が増えてきた現代人の中には、帰宅時間が遅くなったせいで夜遅く晩御飯を食べてしまったり、寝る前や就寝中にお腹がすいてしまい夜食を食べてしまったりと、夜遅くに食事をする事が多くなってきています。

さらに家事、仕事、勉強、趣味、娯楽など、我々が夕方以降に食事をとってしまう原因は年々数が増えてきているのではないでしょうか。

その結果「夜食」の生活習慣も多くの人に定着するようになりました。

しかし、その夜食が習慣化する事によって多くの弊害が起こっているのも事実です。

そして体に悪いと分かっていながらも夜食がやめられない人が現れ始めています。今回はやめられない夜食のメカニズムや、習慣化する事によって起こる病気の危険性などについて紹介していきます。

夜食をやめられない理由

夜食は一度習慣化するとなかなかやめられないものです。

その一番の理由は夜食には様々な幸福感を感じるからだといわれています。

夜中にテレビなどを見ているとつい口寂しくなってお菓子などに手を出してしまいますよね。

その時に食べる食べ物は普段より美味しいと感じたことはありませんか?

通常、人間はお腹がいっぱいになれば幸福感を感じ、夜食はその「時間帯」と「幸福感」によって人々を惹きつける麻薬と言ってもいいでしょう。

また日ごろ職場や学校生活、人間関係などが原因でストレスの多い生活をしている人や、夜中遅くまで仕事や勉強などで起きていなければいけない人々にとって、夜食は唯一と言っていいほどの一日の「御褒美」になります。

夜食をモチベーションに、夜中まで活動したり、夜食でストレス解消を図っている人もいます。

これらの心的働きが、人々を夜食へと導いてしまう要因になっているのです。

夜食がやめられないのは病気なのか

実はこの夜食をやめられない心的症状には名前がついており、それらは一般に「夜食症候群」と呼ばれています。

症候群と名付けられているだけあって原因不明ではあるものの、共通の症状を訴える患者は全国に多数見受けられるようです。

この夜食症候群には二つの定義があり、「夜遅くに食事をとる事が習慣化された状態」の人と「夕食以降に一日の総摂取カロリーの内4分の1以上を食べる人」と定義されています。

成人男性の一日の摂取カロリーの目安が2500キロカロリー、女性の場合2000キロカロリーですので、男性は625キロカロリー以上、女性は500キロカロリー以上摂取すると夜食症候群と言う事ができます。

数字にすると軽い食事の一回分程度のカロリーですが、夜中の食事は侮ってはいけません。

代謝の落ちた夜中にカロリーを摂取するということは、当然健康に悪影響が起こります。

夜食症候群の人ほど炭水化物を多く摂る

最近では夜食症候群は摂食障害の一つとして研究されるようになり、世界中で調査や研究が進められています。

その調査や研究の結果、夜食症候群と診断された人の特徴として炭水化物を多く摂取する傾向にある事が判明しました。

Night Eating Syndromeによると、夜食症候群の人が朝と昼に摂取した炭水化物の量は全体の約47パーセントであるのに対して、夜食で摂取した炭水化物の割合は全体の約70パーセントを占めていると発表しています。

つまり夜食で食べる炭水化物の量は普段の食事の炭水化物より30パーセント以上多く、さらにタンパク質との摂取量の差は約7:1にものぼる事を突き止めました。

これらの結果から夜食症候群の人は、夜食で摂取するにはカロリーが多く、さらに夜食には適さない炭水化物を好んで食べる傾向にあると言う事ができます。

これは炭水化物が持つ気を落ち着かせる物質を摂取しようと無意識に脳が信号を出しているからだと研究者たちは指摘しています。

病気が病気を誘発する

健康を意識せず、自分の好きな食べ物だけ食べる夜食は体に大きな負荷がかかります。

また、夜食症候群を改善せず放っておくと、当然のことながら後に様々な病気を併発します。

まず第一に挙げられるのはカロリーの摂取過多が原因による生活習慣病。

メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病と言った治りにくい疾病などに罹患しやすくなります。

そしてそれらの病気がさらに動脈硬化や脳梗塞・狭心症・腎不全・壊疽などの難病を引き起こし、透析や四肢切断などの生活に支障をきたす代償を払う事になる可能性も十分にあり得ます。

これは代謝の高い若い世代にも同じく言える事であり、若さを盾にしても夜食をやめない限り病気を防ぐことは難しいのです。

夜食がすべて悪いわけではありませんが、食べるものには必ず気を配るようにしましょう。

まとめ

夜食はなぜやめられないのか、そして夜食症候群の恐ろしさなどが理解できたでしょうか。

朝昼晩と食事をきちんと行ったあとの夜食でなくとも、夕食を遅めに食べるような行為も夜食と数えられ、身体に負担を強いっている場合もあります。

仕事や勉強などで忙しいとは思いますが、夕方の食事はなるべく早く済ませておいた方が良いでしょう。

また夜中に晩酌を行っている人も注意が必要です。

アルコールは胃への血流を促進し、消化酵素を分泌させて消化を助ける働きがあるので、さらなる食欲を沸かせる力を持っています。

また血液中の糖分を使ってインスリンと呼ばれる物質の働きが強くなり、失った糖分を求めて脳が炭水化物や甘味を求めます。

この二つは特に夜食で摂取すると脂肪へと変換しやすいので、アルコール摂取の際は気をつけておかなければなりません。

夜食は基本的に太る原因となります。

夜中まで空腹感を持ち越すのはなるべく避け、早く就寝するか夜食に適した健康的な食品を選ぶなどの対策を立てましょう。